TOPIXの浮動株指数化の理由

TOPIX(東証株価指数)は、東京証券取引所第一部に上場されている企業の時価総額を基準に算出した指数ですが、東証一部に上場されている企業の株式すべてを基に計算されている訳ではありません。
2005年10月31日より、浮動株のみを算出の対象としているのですが、これにはしっかりとした理由があります。

TOPIXとは

TOPIXは、東証一部上場の全銘柄の時価総額を指数化したもので、以下の算出式で求められます。

TOPIX=(算出対象銘柄の時価総額合計÷基準時価総額)×100

「算出対象銘柄の時価総額合計」とは、算出時現在の時価総額を指しています。
「基準時価総額」とは、1968(昭和43)年1月4日の時価総額を基準に、新規上場や上場廃止、公募増資等の市況変動以外の要因で時価総額に変動があった場合に修正されてきた値です。
要するに、1968年1月4日の時価総額を100とした場合に、現在の時価総額がどれ程になるかを指数化したものがTOPIXです。
例えば、現在のTOPIXが800であれば、1968年1月4日の8倍の時価総額であるということです。

固定株と浮動株

株式は、市場に出回らない(市場で取引される可能性が少ない)「固定株」と市場に流通しており一般的に取引される「浮動株」とに分けられます。

株式の中には、市場に流通しているもののほか、親会社が保有しているものや取締役が保有しているもの等がありますが、これらの市場に流通していない株式を固定株と言い、固定株以外の株式を浮動株と言います。

TOPIXが浮動株指数ベースの指数ということは、TOPIXの算出には浮動株しか用いられていないことを示しています。固定株は算出対象から除かれているということです。
具体的には、時価総額が「株価×発行株数」ではなく、「株価×浮動株数」で求められるということになります。
では、なぜこのようなことをする必要があるのでしょうか。

浮動株指数化する意味

株式全体に占める浮動株の比率を浮動株比率と言いますが、浮動株比率が低い(=浮動株が少ない)株式銘柄は、市場での流通量が少ないため、品薄になりやすく株価が大きく上昇してしまったりと荒っぽい値動きをする可能性があります。

このことは、インデックス投資に大きな影響を及ぼします。
例えば、TOPIXをベンチマークに用いたインデックスファンドは、TOPIXを構成する比率と同じ比率で株式を購入していくことになります。
このようなファンドが、発行済株式数ベースでポートフォリオを組んだ場合、浮動株比率の低い株式銘柄は、本来は市場に出回っている株式数が少ないにも関わらず、発行済株式数ベースで算出された比率の株式を購入する必要があります。
つまり、市場に流通している株式数からは割に合わないような大量の株式に注文が入るということです。
このような場合には、需給の不一致が生じるため(株式が品薄になってしまう)株価が過剰に上昇し、市場に歪みが出ることになってしまいます。

これを避けるために、TOPIXは浮動株指数ベースで算出されることになりました。
浮動株のみを時価総額の算出に用いると、需給が安定し、過剰に値上がりするようなこともなくなるということです。
発行済株式数ベースでTOPIXを算出した場合の時価総額の歪み問題は、「ITバブル」の頃に問題視されていたのですが、現在は、TOPIXの浮動株指数化が完了されたために、このような問題を心配する必要もなくなりました。

TOPIXの浮動株指数化で、より安定したインデックス投資が可能になったということになります。

2012年9月29日
カテゴリー:投資の基礎知識

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